結論・最初にやること
塩素系漂白剤やそれを主成分にした洗浄剤が衣類について色が抜けた(脱色した)場合、抜けた色は基本的に元に戻せません。
汚れが付着したのではなく、衣類の染料そのものが分解されているためです。まず正直にその点をお伝えします。
ただし、付着直後にすぐ水で洗い流せば、被害の広がりを抑えられる可能性があります。また、脱色とは別の原因で変色しているケース(日焼け止め由来のピンク変色など)は対処できる場合があります。
付着直後の応急処置
- すぐ流水で洗い流す。漂白剤の成分を早く衣類から除くのが最優先
- 強くこすらない。成分を周囲に広げます
- 可能なら洗濯表示に従って早めに洗濯し、残った成分を落とす
- 水洗いできない衣類やデリケートな素材は、無理に洗わずクリーニング店へ
やってはいけないこと
- 酸性洗剤・酢・クエン酸で中和しようとする: 塩素系の製品と酸性タイプの製品が混ざると有害な塩素ガスが発生する危険があります。絶対にしないでください
- 抜けた色を洗いで戻そうと強く洗う: 色は戻らず、繊維を傷めるだけです
- 全体を漂白して色をそろえようとする: 結果が予測できず、被害が広がるだけです
- 漂白剤が残ったまま熱を加える: ドライヤーやアイロンは避け、まずすすぎを優先
脱色が起きる原因
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の解説によると、漂白剤を主成分にした洗浄剤(次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素、過炭酸ナトリウムなど)が付着すると脱色が起きます。身近には、衣料用漂白剤だけでなく、カビ取り剤、「除菌」「消毒」をうたう洗浄剤、次亜塩素酸系の消毒液なども同じ原因になりえます。
高濃度の次亜塩素酸ナトリウムは、セルロース系繊維を脆化させる作用もあるため注意が必要です。
脱色ではなく「着色」の場合(対処できるケース)
白い衣類を塩素系漂白剤で漂白したら襟や袖口がピンク色に変色した、というケースがあります。花王の解説では、これは日焼け止め成分が塩素系漂白剤と反応して変色したもので、生地自体の変色ではありません。
この場合は、洗浄力の高い濃縮液体洗剤の原液を変色部分に塗布し、5〜15分置いてから丁寧にもみ洗い・すすぎで対処できる可能性があります。脱色(色が抜ける)と着色(色が付く・変わる)は原因が違います。
残る選択肢
色が抜けてしまった場合、家庭で色を戻す方法はありません。現実的な選択肢は以下です。
- クリーニング店に相談: 修復の可否は素材と状態次第。プロでも完全な色戻しは難しいことが多いですが、状況を見てもらう価値はあります
- 染め替え・染色: 範囲が広い場合、専門の染色・補修業者への相談という選択肢
- 全体の色を活かす: 脱色部分をデザインとして受け入れるか、ダメージ加工として割り切る
- 使用用途を変える: 部屋着・作業用として使い続ける
予防が本質です
- 漂白剤・カビ取り剤・消毒系洗浄剤を扱うときは、衣類に飛ばないよう注意(エプロン・雑巾などで覆う)
- 色柄物には酸素系漂白剤を使い、塩素系は白・無地で漂白可の表示がある衣類に限定
- 付着したときはすぐ水で洗い流す習慣を
関連するトラブル
他の衣類の色が移った「色移り」は染料の付着で、脱色とは別の問題です。