結論・最初にやること
蝋(ロウ)は水にも洗剤にも溶けないワックスです。固まるまで触らず、まず固まった塊を剥がすのが最初の一手です。温かい・柔らかいうちに拭こうとすると、蝋が広がって繊維に染み込みます。
繊維に残った蝋は、キッチンペーパーで上下を挟み、アイロンの熱で溶かして紙に移し取る方法が基本です。
用意するもの
- キッチンペーパー(または無地のいらない布・ティッシュ)
- アイロン(低温〜中温で使えるもの)
- 食器用中性洗剤(残った油ジミ用)
- 保冷剤または氷(蝋を早く固めたい場合。任意)
手順
1. 蝋を完全に固める
付着したばかりの蝋は触らず、そのまま冷めるのを待ちます。急ぐ場合は保冷剤や氷をビニール越しに当てて固めます。熱いうちに拭くと染みが広がるので我慢が必要です。
2. 表面の塊を剥がす
固まったら、指先や定規・クレジットカードの角などで、剥がせる範囲の蝋を取り除きます。無理にほじったり、つまんで引っ張ったりしないでください。繊維の奥に押し込み、毛羽立ちの原因になります。デリケートな生地ではスプーン程度の柔らかい道具に留めます。
3. キッチンペーパーで挟んでアイロンを当てる
繊維に染み込んだ蝋は、熱で溶かして紙に移し取ります。
- アイロン台の上にキッチンペーパーを数枚重ねて敷く
- 蝋のついた部分がその上に来るように衣類を置き、さらに上からキッチンペーパーをかぶせる
- 低温〜中温のアイロンを数秒ずつ当てる。溶けた蝋が上下の紙に染み出します
- 紙が蝋を吸ったら新しい面に替えて繰り返す。蝋が移らなくなるまで続けます
化繊(ポリエステル・ナイロン等)は熱で縮んだり溶けたりします。必ず低温から始め、様子を見ながら行ってください。
4. 残ったシミを洗う
蝋が取れた後にうっすら残る油ジミには、食器用中性洗剤をもみ込んでから普段通り洗濯します。色つきキャンドルの色素が残った場合は、洗濯表示を確認のうえ酸素系漂白剤でのつけ置きを検討してください。
素材・衣類別の注意
- ポリエステル・ナイロン等の化繊: 熱に弱い。アイロンは低温のみ、当てる紙は厚めに。不安ならドライヤーの温風でゆっくり溶かす方法もあります
- シルク・レーヨン・キュプラ: 家庭処置は避け、クリーニング店へ
- ウール・フリース: 繊維の間に蝋が残りやすい。紙を細かく替えて吸い取る
- 高級品・思い出の衣類・着物: 温度ミスや熱のかけすぎで取り返しがつきません。最初からクリーニング店に相談してください(プロも溶かして取りますが、素材に応じた温度管理が前提です)
やってはいけないこと
- 温かい・柔らかいうちに拭き取る・こする: 蝋が広がって繊維に染み込みます
- アイロンを生地に直接当てる: 当て紙なし・高温のアイロンは生地を焦がします
- ベンジン等の溶剤を使う: 蝋は溶けますが、色柄や加工を傷めるリスクが高く、家庭では推奨しません
- シミが残ったまま乾燥機に入れる: 熱で色素や油分が定着し、落ちにくくなります。完全に落ちたと確認するまで自然乾燥にしてください
関連するトラブル
蝋が取れた後に残る油ジミの扱いは油汚れの記事が参考になります。口紅もワックスを含む複合シミですが、染料が濃く処置が異なります(化粧品シミの記事で扱っています)。ガムも「固めて剥がす」が基本ですが、熱で溶かす工程は不要です。